いたってシンプルに。古さを感じない、飽きない空間を心がけました。
■リフォーム前
お部屋全体のリフォームをしたのですが、こちらはキッチンの写真。
リフォームして売却する、というリノベーションのご相談でした。
築30年の建物ということもありキッチンと洗面脱衣所は、天井がモルタル吹き付けでした。
煙草のヤニが強く残っており、クリーニングでは落しきれない、ということで天井を壊し、ボードを張って、クロスを貼ることにしました。
又その際は火災報知機をいじらなくてはならないので、マンションの管理組合さんのご協力を得ながら、解体をしました。
■リフォーム後
キッチンと壁、床、天井をカラーでメリハリをつけました。
汚れも目立ちにくく、お手入れしやすいキッチンを選びました。
天井はクロスに変わり、天井を壊す際に問題だった火災報知機も無事にクリアできました。
天板と吊戸棚の間は消防法により、決まった高さを確保しなくてはなりません。
若干、従来のイメージに比べると吊戸棚が小さく感じますが、今のシステムキッチンは収納力抜群で、隅から隅まで収納ができる引き出しがついています。
今回のキッチンは、トステムのヴィートワン(シカモアショコラ)です。
トイレ。
トイレ廻りの壁は、脱衣所とユニットタイプのポリエステル合板で区切られていました。
新たに壁を作ってクロスを貼るとなると。。とても費用がかかってしまうのと、とても狭くなってしまい使い勝手が悪くなることから、クリーニングのみで収めました。
床はキッチンと同じCF(クッションフロア)を貼りました。
洗面化粧台。
幅750mmの洗面化粧台を交換しました。
キッチンと同じシカモアショコラのカラーで統一しました。
洗面ボウルは、フラットタイプのすっきりしたデザインもありましたが、使い勝手としてはボウルの手前が丸くなっているほうが使用時に水がこぼれにくいので、こちらのタイプを選びました。
リビングから入口に向けての写真です。
およそ30年前、マンション建設時に作られたままの造り付け家具がポリエステル合板の素材で備え付けられています。
こちらの中には分電盤(ブレーカー)、インターホン、解錠システム、ガスコック、有線放送などさまざまなシステムが設置されており、マンション側の問題もあるので壊すことができませんでした。
クリーニングでとてもきれいになりましたが、今後の事を考えると難点でもあります。周りのクロスや照明器具、フローリングを変えたことでイメージはだいぶ明るくなりました。
洋室。
以前住んでいた方が事務所として使っていました。
収納がないので、壁を作り、クローゼットを作りました。
上下に戸車が付いているので扉の開閉がスムーズで好きなところを開けられるのでとても便利な使い勝手です。
和室の襖。
こちらは玄関横にある和室で窓を開けても共用通路になり、北側に当たるため、昼間から暗い感じのお部屋でした。
少しでも明るさを出すために、襖のカラーを無地にし、縁を濃くすることで、メリハリがつき、落ち着いた空間が出来上がりました。
和室窓。
before写真の窓の外は、暗いですが、実は晴れた日の昼間なんです。
窓枠も劣化の為、若干歪んでいましたが建具屋さんの腕の見せ所。
窓自体はそのまま、障子枠を新たに取り付け、和室の雰囲気を前面に出しました。
障子紙は「ワーロン紙」というプラスチックのような素材ですので、貼り替える手間もなく、外からは透けて見えないのも大きな特徴です。
窓下カウンター。
床置きタイプのエアコンが窓下のカウンターにあるのですが、外までの配管ホースがカウンター下を伝っていました。
こちらの配管ホースを奥へしまい、ボードを張って見えなくすることで、手前の空間を収納として使えるようにしました。
エアコンや電気等のメンテナンス時はボードが外せるように工夫がされてるので安心です。
通気口。
どうしても和室にエアコンをつけたい。しかしながら、和室にエアコンを付けることが極めて難しい為、隣の洋室から冷気が流れるように通気口を作りました。
換気扇のようにスイッチがあり、こちらをつけておくことで、隣の和室に洋室からの冷気が流れ込む仕組みとなっております。
ご施主様とは5〜6年ほど前に、賃貸物件のご紹介をさせて頂いたときからのお付き合いで私自身もとても親切にしていただいてるご施主様です。
今回こちらのマンションを購入されたのですが、色々なご都合があり、ほぼ私の方で仕様を決める事となりました。
プロとしての絶対的な「ススメ」もありますが、リフォームとなると「これはセンスだよね・・」というのが大半です。
だから、ご施主様にとって私のセンスが良いか悪いか。。常に考えてしまい、悩むこともありました。
お金を沢山かければ良いものはどんどん出来上がりますが、なるべ予算をかけずにリフォームすることを念頭に、数字と闘いながらの現場でした。
引き渡し時には喜んでいただけたようで、ホッとしました。これからも宜しくお願いします。